去年に続き、今年も乳頭温泉鶴の湯にお泊り。
人気の宿で、中でも一番古く鶴の湯を代表する本陣は、予約が取りづらい。
(上記画像の門を入って左手の5部屋が本陣)
数か月前から予約の電話をすると、運良く本陣のキャンセルが出たそうで予約が取れた!
部屋には囲炉裏とランプがあり、風情たっぷり。
この囲炉裏で焼いた岩魚に、郷土料理の山の芋鍋が吊るされ、そりゃあお酒が進みます。
4つの異なる泉質の源泉があり、宿泊中何度も入った。
中でも、夜中満天の星空を仰ぎ見ながら、大きな露天風呂での湯浴みは最高の時間だった。
東北は、本当にたくさんの個性的な湯があり、来るたび、あちこち立ち寄り湯をする。
でも、ここはお湯だけではない魅力がある。
星空も、囲炉裏を囲っての夕食も。
そして何よりも、空間だと思う。
山の中に静かに佇む一軒宿で、日が落ちる頃、ランプが灯され、木枠の窓から、優しいオレンジの灯りが漏れる。
夜が更けるほど、幻想的な世界が濃くなっていく。
その空間に包まれる安堵感が心地良くて、泊まりたくなるんだと思う。
ふたりとも、以前はホテル業に携わっていた。
たいていの宿は、リピート客を飽きさせないため、変化を求める。
改築したり、季節ごとに料理やイベントを変えていく。
でも、ここは、変わらないことを皆が望んでいるように思う。
宿側もお客様も。
目まぐるしく変化していく世間で、変わらずにあるここに来て、ホッとするんだと思う。
変わらずにあるための努力は、変化を続けるそれよりも、大変なのかもしれない。
東北に冬に来る機会は、なかなか無いけれど、いつか雪深い鶴の湯に泊まりたいな〜。